今年3月から、内閣府NPOポータルサイトに所定の登録をすれば、NPO法人の設立、事業報告書等の提出、定款や役員等の変更届出などといった所轄庁に対しておこなう手続きをオンラインでおこなえるようになりました。
和歌山県ではNPO法人の手続きの電子化は行われていませんでしたので、これを機にオンライン申請ができるようになる、という期待もあり、手続きのオンラインに対応できるよう条例の改正などの手続きを進め、サービス開始と同時に和歌山県が所管するNPO法人もオンライン手続きが利用できるようになりました。
わかやまNPOセンターでは、和歌山県と連携して県内全NPO法人を対象としたアンケート調査のほか、2023年3月末には和歌山市、橋本市、田辺市、新宮市の4カ所でウェブ報告システムの操作説明会を会場とZOOMオンラインのハイブリッドで開催。新宮会場のレコーディング動画を元にYouTubeでもその模様を公開しています。
システムの操作説明会を控えており、またこのシステムに関する相談に応えられるようにしておかなければなりません。そこで、3月1日のサービス開始と同時にアカウントを取得し、和歌山県NPOサポートセンターのスタッフとともにいろいろ操作をしてみました。
そうしましたら「あれ、これおかしくない?」という点が複数出てきました。手続き上は必須の書類が「任意提出」となっていたり、その逆だったり。また一定の条件下で操作ができないといったことも。
オンラインサービスのローンチ後はいろいろ不具合はあるもの。気づいた点をシステム事務局にお伝えして、問い合わせに対応して…というやりとりを複数回実施。事務局の担当者の方には「また和歌山からか…」と名前を覚えられるレベルだったと思いますが(笑)、NPO法人周りの手続きは所轄庁によって取り扱いが細かく異なるところもあり、できる限り対応を試みた結果であることも伝わってきました。
そして上記の通りYouTubeで動画を公開していたこと、全国の中間支援組織スタッフの意見交換会でも操作説明をおこなうなどしていたことから、他県の自治体や中間支援組織などからもお問い合わせをいただくようになっていました。
そうしましたら5月の連休明け、県庁から連絡があり、内閣府から「今年に関しては事業報告書等の提出についてはシステムに付随している入力フォームや入力ツールの使用は断念し、完成した書類データによる送信のみとする」旨の通知があったと。
確かに、システムに付随していた入力フォームや入力ツールは便利なところもある反面、レイアウトがNPO法人会計基準とはかけ離れたものになっているなど違和感もありました。それを改修していく方針であることもうかがっていましたが、まさか一旦フォームやツールを取り下げることになるとは思ってもみず。
事業報告書等の提出以外はフォームやツールは残されているようですので、うちらがやってきたことがすべて水泡に帰す、ということではないのですが、ちょっと脱力した1週間でありました。
なお、所轄庁や中間支援組織向けに、ウェブ報告システムの研修ができる環境が設けられる見込みとのこと。完成した研修システムで改めて、県内のNPO法人のみなさまに研修をおこなうことになる予定です。やはりこういうシステムものは構築は難しいんだなと感じた次第であります。