
交通事故の統計に関する記事を公開した日の夕方、職場近くの五差路と踏切が重なった交差点付近で取り締まりなのか、安全指導なのか、通行整理なのかはわかりませんが、すべての方向に警察官が待機しているのを見かけました。駅の真ん前で列車の発着前後には歩行者や自転車の通行量が極めて多い一帯。踏切での一旦停止はもちろん、歩行者が横断歩道を渡ろうとしていると車両は歩行者を優先しなければなりません。交通が非常に錯綜する場に警察官がいるというだけでもすごく安心感が得られました。
最近は、和歌山県や和歌山県警も「サイン&サンクス運動」というのを展開しており、横断歩道は歩行者が優先であること、そして優先して渡らせてもらった歩行者は運転手に対して感謝の意思表示をすることで、お互いが気持ちよく通行できるようにしましょう、という意識醸成に取り組んでいます。
かつて和歌山県は横断歩道で歩行者がいるにもかかわらず一旦停止をしないドライバーの割合が全国ワーストクラスだったのですが、このようなキャンペーンなどの効果もあってか最近はかなり改善されたそうです。実際、横断歩道前でいったん停止する車両も増えてきているのを感じます。
ところが、今日の夕方、同じ状況で警察官がいなかった場合はどうだったのか、考えてみました。
ひょっとしたら横断歩道の歩行者優先はおろか、踏切での一旦停止すらおこなわない車両がみられたのかもしれません。警察官がそこにいる、ということで交通ルールをより遵守する気持ちになったのであればいいのですが、警察官がいなければ交通ルールを破っても問題ない、と考える運転手が多かったとしたらちょっと怖いな…と。
一方、このような話でよく例に出すのですが、昨今の新型車両に搭載されている様々な先進安全装置の機能または機能の限界を正しく理解できていないとみられるユーザーがおおむね2割弱いた、という複数の調査結果(リンク先は一例です)。警察官の存在如何の前に、わずかではありますが、ユーザーが自動車の装備を過信している節がみられ、交通安全の実現には警察官の存在だけではなく、ユーザー側の認識の改善も必要なんだなぁと思わされる次第です。
まずは、警察官がいようがいまいが、交通ルールを遵守することで防げる事故があるならば、防げる被害があるならば、積極的に交通ルールは守りたいですよね。そのうえで、自動車ユーザー側も機器を過信することなく、謙虚な気持ちで運転するようにしたいところです。
※もちろん、先進安全装置、また様々な取り締まりや取り組みなどの複合的な成果として、交通事故件数は減少しているという側面も大きい、というのは強く指摘しておきたいです。