長尺プリンタも価格改定に…わかやまNPOセンターの日記

NPOサポートセンターの長尺プリンタ

 今年8月にも和歌山県NPOサポートセンターの印刷機の利用料金改定のお話をさせていただきました。2カ月あまりが経過し、ご利用状況を確認したところ、原価を大きく上回ることも下回ることもなく、もう1カ月様子をみることにしています。

 そんな折、今度は長尺プリンタで使用しているロール紙とインクが約1割値上がりまして、長尺プリンタのご利用料金が適正なのかを検証する必要が出てきました。
 長尺プリントのご利用料金は2002年の和歌山県NPOサポートセンターの開館当時から変わっていません。その間に1回プリンタを買い換えましたが、替わらない価格でご利用いただいてきた経緯があります。これまでも、「黒地に白文字」印刷は大量のインクを必要とするもののモノクロ印刷料金(カラー印刷料金でいいですよ、という申し出もいただいていましたが)になったり、「文字は黒なんだけれども、左肩にカラーの団体ロゴを入れなければならない」印刷はカラー印刷料金を申し受けることになったりと、なんだか心苦しいこともありまして、このモヤモヤを解消できる手段がないか、考えていたこともありました。

 様々な情報を探しているなかで、プリンタメーカーのウェブサイトをよくみてみると「プリント原価を算出するオプション機能」があることがわかりました。インクと用紙の調達価格をあらかじめ設定しておけば、印刷時に消費する用紙とインクの量を計測し、調達価格を元に印刷原価を算出することができるのです。

 こんなオプション機能があるならもっと早く導入しておけばよかった・・・!!!

 という想いを抱きながらもプリント原価を求めてみると、モノクロ印刷は概ね収支均衡か赤字カラー印刷は多くの場合黒字であることがわかりました。
 2002年の開館当初の長尺プリントでカラー印刷の料金がどのように設定されていたかはわかりません。おそらく、当初の機種では、モノクロ印刷はインクを1色、カラー印刷はインクを3色使ったため、モノクロ印刷の標準原価をベースに、カラー印刷は単純に3倍していたのだと思います。

 現在の機種は黒色のインクが2種類あり、シアン(濃紺)、イエロー、マゼンタ(赤紫)のカラーインクの合計5色でプリントします。プリント原価をよくみると、モノクロ印刷であっても微妙にカラーインクが使われていることがあり、単純に黒色インクだけで印刷しているわけではなさそうです。したがって、今回の用紙とインクの値上げに伴い、モノクロプリントの原価は、ご利用時に申し受けるプリント料金を上回ることが増えたということがいえそうです。

長尺プリンタのインク。実は家庭用プリンタと中身はほぼ同じだったりします。

 逆にカラー印刷をみてみますと、これは色の使い方によって大きな差が出ているようです。サンプル数が少ないためパターンを十分つかめたわけではありませんが、やはり淡色が多い場合、塗色面積が狭い場合は原価が安くなる傾向にあるようです。

 スタッフ間でもあれやこれや議論をしましたが、結果として、プリント原価をベースに料金を徴収することにし、県庁とも協議をおこない、価格改定の概要が確定しました。

 プリンタには余剰インクを吸収する「メンテナンスボックス」というものがあり、これは1年に1回程度交換しています。この交換費用をご利用のみなさんに応分に負担いただくため基本料金を設定し、そこにプリント原価を加えた額を申し受けることにさせていただきます。適用は2024年1月4日ご利用分からです。

 これで、黒地に白文字とか、カラーのロゴがあしらわれつつも黒文字がほとんどという印刷でも、心苦しくなることはなくなるはずです。一方で、実際に印刷するまで料金がわからない、というデメリットが発生します。そこで、サポートセンターでは、多くの場合値上げになる見込みのモノクロ印刷については見本を備えることにしました。
 こちらでお伝えできる範囲では、9月以降のご利用状況やこちらでおこなった試し刷りの結果によると、モノクロ印刷の場合は比較的細い文字でプリントした場合は従来とあまり変わらないようです(基本料金の分は上乗せになりますが)。一方で、講演会のタイトルのように遠くからの視認性を担保するために太い文字でプリントした場合は、インクを多く使いますからこれまでよりプリント原価だけで2割程度価格が上がるようです。カラー印刷の場合は全面に色がついていたり、濃い色が多かったりしなければ、多くの場合価格は下がるのではないかと思われます。

 公式には10月31日午後にお知らせします。こちらからご覧ください(10月31日午後以降)

 なお、長尺プリントについては、より多くの方にご利用いただけるよう、新しいサービスを導入する計画もあります。詳細が固まりましたらお知らせいたします。