
和歌山県NPOサポートセンターから毎月1日・15日に配信しているメールマガジンについて、7月15日号で同じメールが何通も届いてしまうトラブルがありました。お詫びのメールもお送りしていますが、状況を改めて整理してご報告します。
【1】昨年、メールマガジン配信の仕組みを変更しました
和歌山県NPOサポートセンターのメールマガジンは長らく「Googleグループ」を使って配信していました。このGoogleグループは、長らく無料版Googleグループを使用していたのですが、昨夏、無料版Googleグループの仕様が変わり、Googleアカウントに紐づいていないメールアドレスへの新規配信登録ができなくなりました(Googleグループへの招待メールを送る方式は可能なのですが、受信を希望された方に二度手間をかけることになるのでそれは避けたかったのです)。
【2】Microsoft365のサービスでメールマガジン配信登録ができるようにしました
Microsoft365には作業を自動化できるPowerAutomateという機能があります。昔はマクロを組んでいたようなことを、直感的な動作で組み立てることができます。
まず単純な仕組みとして、メールマガジンの配信登録いただいているメールアドレスに1通ずつ、Outlookを通じてメールを送信できるようにしてみました。ところが、これだと同じメールを短い間に大量に送ることになってしまい、スパムメールを送信していると勘違いされて途中でエラーが起きてしまいます。
そうしたらHVE(High Volume Email)というサービスがベータ版として提供されていることを発見しました。一定の制限はありますが、同じメールを大量に送信するビジネス向けサービスとしても使えること、当方のメールマガジンを送信するレベルであれば問題なさそうということがわかり、それを使えるように設定しました。一応、ベータ版なので「仕様変更の可能性がある」ということは書かれていましたが…。
【3】【2】の手段が取れなくなりました
7月1日のメルマガは問題なく送信できたのですが、7月15日のメルマガ送信時にはエラーが出て一切送信できず。
理由を探っていると、HVEの本格運用に向けて、6月下旬(米国時間)で、HVEを活用しているのと同じドメインのMicrosoft365利用者以外へのメール送信ができなくなったことがわかりました。Googleグループに似た仕様変更です。確かにベータ版運用中は仕様変更がありうるということは書かれていたのでMicrosoft社側に非はないのですが、これにより、HVEを活用したメールマガジンの送信ができなくなってしまいました。
ちなみに、その仕様変更は英語版のMicrosoft社のブログに記載がありました。ブラウザ側で翻訳してみますと、英語圏の方から「HVEを活用できるように仕組みを変更したのに、また変更しないといけないのは新たなコストを生むだけ」とか「うちはMicrosoft365内への送信がほとんどで、外部へのメールはごくわずかなのだがそれでもだめなのか」という趣旨のコメントが寄せられているようでした。まぁ、いずれも仕方ないですね・・・。
【4】改めてMicrosoft365でのメールマガジン送信を試みました
HVEが使えないとなると、取れる手段は(1)Microsoft365で改めて送信できるよう設定を見直す、(2)Google for Nonprofit版のGoogleグループに移管する、の2つ。
Googleグループは、有償版であれば、Googleアカウントに紐づけがないメールアドレスであっても配信登録が容易です。昨夏の段階でGoogle for Nonprofitを利用していればよかったのですが、その前だったこともありいったんM365に変更して配信元メールアドレスが変わっただけに、またGoogle系にメルマガ配信を変更するのも混乱を招きますので、(1)でなんとかできないかいろいろ調べてみました。
結果、Outlookに送信先メールアドレスを1件ずつ渡しつつ、スパムメールとは判断されないよう間隔を空けてメールを送信する、という方法にたどり着き、PowerAutomateで設定しました。
【5】この際にミスがありました
PowerAutomateでこの設定をする際に、「1件ずつメールアドレスを抽出し、●秒空けて、設定されたメールを送信する」という設定をしたのですが、設定の場所を間違えて「1件ずつメールアドレスを抽出し、●秒空けて、設定されたメールを送信する」ことを「1件ずつおこなう」と入れ子の形にしてしまっていたようでした。
テスト段階ではこのミスに気付くことができず、実際に送信した後に、手元の検証用メールアドレスになぜか2通、同じメールが届き、あれよあれよという間に同じメールアドレスに同じメールが数通来てしまっていました。
ただちにPowerAutomateからコマンドを中止しましたが時すでに遅し、最大6通、同じメールアドレスに届いてしまっていました。お問い合わせもいただきまして、たいへんご迷惑をおかけしました。
その後、設定ミスを確認し(Microsoft365の生成AIであるCopilotにチェックしてもらったら、コマンドが入れ子になっていることがわかりました…)、お詫びのメールをきちんとした形でお送りした次第です。
メールマガジン配信の仕組みは、有料のサービスを使えばミスもなく的確にお送りすることができるのだと思うのですが、できるだけ費用をかけたくない、手元でできることはできるだけ手元でやろうという家内制手工業的な発想でやっておりまして、それが逆にご迷惑をおかけする形になってしまいました。申し訳ありませんでした。
今後は事前の確認作業をより徹底することで、このようなトラブルを起こさないように努めてまいります。
