
唐突ですが、当方はいわゆる「鉄っちゃん」です。県外の同業の方にも結構知られていまして、たまにネタにされたりもしています。もともと日本地理が得意だったということ、高校へは電車通学していたこと、その頃が世界リゾート博や関西空港開港の前後で和歌山の鉄道に活気があったこともあって、いつの間にかハマってしまった感じです。
鉄道が趣味、といってもいくつか種類がありますが、わたしは「乗り鉄」に当てはまります。学生の頃は長期の休みとなれば青春18きっぷを携え出かけていたものです。
そして、地理好きも相まって、次第に駅または路線、自治体名を教えていただけるとだいたいこんな地域だな、という目星がつきまして、県外の方とお話する際に
「どちらのご出身ですか?」
「●●という市ですが、ご存じないですよね…?」
「◇◇で有名なところですよね」
・・・なんてやりとりが比較的容易にできるというのが秘かな自慢。
で、この趣味ってば結構NPO支援の現場でも役立つと思っていまして。ご相談をお受けしていて、例えば活動されたいという地域がわかれば、そこがどのような地域なのか、地域資源にどんなものがあるのか、類似するような活動は行われていないか、など、ある程度のバックボーンがみえてきたりするのはかなり大きいです(たまに「なんでご存じなんですか」って驚かれることもありますが…)。
その後、縁あって和歌山市交通政策課が発行する公共交通情報マップ「wap+」の前身である「wap」作成に参画したほか、それが縁で民間主導のバス停マップサービスの和歌山県内の事業者のバス停データのメンテナンスを担当させていただいている(路線バスに関する情報の標準フォーマットである「GTFS」が県内全事業者に導入されたことから徐々にやることが減っていますが…)こともあって、県内の鉄道・バス、そして県内の道路事情についても知識が一定ついて現在に至ります。
バス路線を眺めていると、人の流動がある程度みえてきます。例えば、高野町東部の富貴・筒香地区からは、奈良県五條市に向かうコミュニティバスが運行されており、県境を越えた結びつきがあることがうかがえます。また、白浜町(旧日置川町)市鹿野地区からは白浜町や旧日置川町ではなく、上富田町の朝来駅に向かうコミバスがあり、そちらとの結びつきが強いことがわかります。もちろんコミュニティバスは行政施設や病院等を結ぶものも多いので、すべてではありませんが、一定の傾向を把握する上では十分な資料になると思います。
NPOやボランティア活動に取り組むみなさんは各々の地域の課題をなんとかしたい、として活動をされるのが一般的ですが、その背景を把握し、適切なご案内をおこなうのがわたしたちの使命でもありますので、地域を知っておくことはとても重要なこと。そこに鉄っちゃん属性が活かせるというのは強みではないかと思っています。
最近大きな課題になり始めている、生活交通の問題もドンピシャで、現状、その地域にはどのような交通手段があるのか、どれくらいの人口ボリュームがあるのか、といった感覚をつかむのはまったく苦にならないのも強みです。
もちろん、それ以外の得意分野を持つスタッフもいますので、得意分野を持ち寄ることでよりよいお手伝いができるのではないかと考えています。各団体の得意なことも持ち寄ることでより大きな成果を生み出すことができるかも。自分自身、そして団体自身が強みを把握し、なにが提供できるのかを探ることは重要なんだなと最近つとに思う次第です。
ちなみに、写真はNPOとは関係ないですが、鉄道現場における防災について学ぶプログラム「鐵學」に参加したときの一コマ。自分の趣味と防災を重ねて勉強できるなんていいじゃないですか。こういう機会もっと増えないかな…