2024年を振り返る…わかやまNPOセンターの日記

大規模地震が発生したときにどう行動するか、改めて考える機会になりました(11月30日、近畿ろうきん社会貢献預金笑顔プラス寄附事業より)

 もうすぐ2024年が終わります。元日早々から能登半島地震、翌日は羽田空港での航空機衝突事故など、大きなできごとで幕が上がった2024年。辰年は上昇する…といわれています。確かに日経平均は一時4万円台をつけ、経済界のセオリーはその通りになったのかもしれませんが、足元をみると、民主主義の危機ともいえる事項が次々と明らかになったような気がします。

 能登半島地震では和歌山でも長時間の揺れを感じました。スマートフォンのアプリが震度5強を伝えてきたためテレビをつけると珠洲市役所のライブの映像が流れているうちに震度7が来て、ライブで流れていた映像で見えていた家屋の屋根が崩れ落ちる様子がわかり、そして大津波警報…と本当に正月早々何が起こったんだ、と現実のものとは受け止めづらいことから始まりました。人口過疎地域、半島という地理特性もあり、救助・復興が一向に進まないなか、秋には記録的豪雨と、能登のみなさんが何をしたというのだ、という無力感を感じざるを得ませんでした。
 そういえば2007年に発生した能登半島地震は日曜日の職場で揺れの情報を知って、テレビをつけて被害状況を確認したのを今でも覚えています。あのころから能登半島ではときおり大きな地震があったんですよね・・・。

 わかやまNPOセンターでは、4月より和歌山県NPOサポートセンターの指定管理者が第7期に入りました。ここ最近、NPOやボランティア団体に関する情報をどのようにお伝えするか頭を悩ましていたのですが、橋本市市民活動サポートセンターにヒントをいただき、和歌山県NPOサポートセンターInstagramを始めることに。アクセス解析をみると、Facebookページは40~50代の男性がボリュームゾーンなのですが、Instagramは30~40代の女性がボリュームゾーンになっており、情報をお届けするウイングは確実に広がったのではないかと考えています。まだ情報発信は十分ではないので、ウイングをさらに広げていくべく取り組みを進めたいと思います。

 そして、このブログでも理事長の日記を書くようにしました。わかやま新報の隔週金曜掲載NPO紙面「わかつく」を補足する形で、また「わかつく」でも和歌山県NPOサポートセンターでも取り上げないような話題などもお届けする形で、わかやまNPOセンターが何を考えているのかを少しでもお伝えできればと考えています。
 ちなみに、Windows11 24H2アップデート配信後に、ネットワークHDD(NAS)にログインできないことを書いた記事は一時期Google検索の「スぺニット」に登場するなど、NPOとは異なるところで注目を集めることになったのはここだけの話。

 そうそう、今年はMicrosoft365の非営利組織版とGoogle Workspaceの非営利組織版を本格導入した年でもあります。前者はNPOサポートセンターの職員が活用しているほか、Google Workspaceは、和歌山市NPO・ボランティア推進協議会の運営委員のみなさんの情報共有につなげられればと少しずつ活用を進めています。

 和歌山県内のNPO・ボランティア活動をみると、やはりこども食堂を中心とする「地域の居場所」の存在感が一気に高まった年ではないかと思います。まだ「こども食堂」=こどもが行く場所、という認識が多く残っていますが、実際に運営を担おうとする方は誰でも来てくれていいよ、という方が多いように思います。今年だけで40~50カ所は増えたのではないでしょうか。全国で1万カ所に到達したようですし、和歌山県内も90を超えています。来年には150くらいになるかも。

 わかやまNPOセンターは、NPO・ボランティア活動を応援する支援組織ではありますが、しばらくは「地域の居場所」を重点テーマにしたいと考えています。

 子どもを中心とした多世代の居場所としての「こども食堂」「地域食堂」
 地域コミュニティの核になる場所としての「(空き家などを活用した)コミュニティ図書館」
 地域づくりを住民主体でおこなう「地域運営組織」

 などが当面の重点テーマになろうかと思います。

昨年に引き続きお手伝いさせていただいている、田辺市の地域ワークショップ(10月3日、上芳養小学校)

 休眠預金等活用事業にも挑戦し(今年は残念ながら採択ならずでしたが…)、外部資金を投入しながら、産官学民による連携ができるプラットフォームづくりにつなげていきたいと考えています。労力を提供できる方は労力を、資金を提供できる方は資金を、知識を提供できる方は知識を、それぞれ少しずついただきながら、地域に必要なものを作っていく作業に注力できれば。

 ご承知の通り、和歌山県は人口減少が深刻です。年間1%の人口減少が続いていますが、都市部を除き、高齢化率はもはや高止まり、若い世代が県外に流出する社会減よりも、高齢者がお亡くなりになることによる自然減が加速傾向にあります。総人口に占める現役世代の割合がどんどん縮小していっているのです。おのずと現役世代に荷重がかかるのは自明。その現役世代を支える仕組みが必要になると考えます。その仕組みの一部が、前述した「地域の居場所」「地域運営組織」です。

 まだまだ課題はもりだくさん。わたしたちにできることをコツコツと進めていきたいと思います。
 それは、そう遠くない将来襲ってくるはずの南海地震などへの備えにもつながり、人口減少社会を少しでも過ごしやすくすることにつながると確信しています。

 そうそう、今年は県内外で存じているNPO関係者の方の訃報、なかには現役のスタッフの方が亡くなるというようなことが相次いだ年でもありました。つい先日までお元気だったのに、という方もいらっしゃいました。最近姿をお見掛けしないと思ったら入院されていた、という方もいらっしゃいました。
 当方もお世話になった、一般財団法人たんぽぽの家の播磨さん、公益財団法人さわやか福祉財団の堀田さんなど、NPO・ボランティアの世界の第一人者もお亡くなりになりました。徐々にバトンが若い世代に受け継がれていく瞬間を目の当たりにしました。先輩のみなさんの足跡も大切にしながら、わたしたちにできることをがんばりたいと思います。

 みなさん、2025年もどうぞよろしくお願いいたします。