8月23日付の「わかつく」第344号は、いわゆる「交通弱者」をテーマに書きました。事前予告から注目度が高く、PDF版公開後の反響も気になるところです。
「わかつく」は原則として、スタッフが担当する和歌山市周辺のNPO・ボランティア団体の活動紹介と、わたしが担当する「和歌山の地域課題」の掘り下げ記事を交互に掲載しています。NPO支援機関として、和歌山県NPOサポートセンターの管理運営をお預かりする立場として、和歌山にはいまどのような課題があるのか、和歌山はどのような現状にあるのか、発信し続け、みなさんのヒントになれば、と考えています。
わたし自身、和歌山周辺で、直近で大きな課題になりそうなのは「自治会・町内会が運営できない問題」と「移動ができない問題」の2つと考えています。前者に関しては、当方も橋本市や田辺市で「地域運営組織」の設立に向けた取り組みのお手伝いをしています。後者に関しては、わたし自身が和歌山市の公共交通会議の市民側委員を仰せつかっているなかで、市内の交通事情が変化していることを感じていたことによります。
ただ、移動の問題はここ最近周辺でも「なにかできないか」と考えている組織が増えている印象があります。実際に橋本市や田辺市の地域運営組織化の協議のなかでも、特に自動車免許を返納した高齢者の通院・買い物移動をどうするかは大きな課題になっていることもあります。方や、橋本市では福祉有償運動が実際に行われていますが、担い手不足の声も聞こえてきています。助け合い輸送の事例は橋本市や和歌山市などで実例がありますが、どこまでボランティアで事業を展開するのか、というところは実際のところ「悩ましい」という声もあります。
そこで、手段がタクシーの半額程度の費用をいただく福祉有償運送なのか、ガソリン代実費程度をいただく助け合い輸送なのか、の別はともかく、どれくらいのニーズが予想されるのかを知りたい、というのが第344号の内容を思いついた経緯です。
さて344号でも記載していますが、交通弱者の考え方と割合は・・・
(1)交通機関を利用できないなどの移動制約者、幼児・障がい者、認知機能の低下などにより交通事故遭遇リスクが相対的に高い方の合計・・・総人口の約27%(内閣府委員会で出された数字で、一般的な「交通弱者」の考え方だそうです)
(2)和歌山県内で運転免許を持っていない方の推計・・・県人口の約29.7%(運転免許保有者数と国勢調査人口から算出)
ということで、どちらの方法でも交通弱者の割合は「30%弱」となりました。住民10人に3人は移動に困難を抱えていると考えると、意外に多いのではないかとわたしは思ってしまいましたが、みなさんはいかがでしょうか。