
昨年末、和歌山県が「高潮浸水想定区域の指定」をおこない、発表しました。
これまで、災害に備えるための情報として、地震の揺れの強さや揺れによる液状化リスク、大雨の際の河川氾濫や内水氾濫(排水が追い付かず浸水すること)が想定される地域と最大浸水深・浸水継続時間、津波の浸水が想定される区域と最大浸水深・浸水継続時間、土砂災害警戒区域などの情報がこれまで発表されてきましたが、高潮については今回初めてのことです。
高潮は、夏の高温時などにも発生することがありますが、被害をもたらす規模の高潮といえばやはり台風が接近しているときが挙げられます。台風は気圧が低いので海水面が上昇しやすくなり(吸い上げ効果)、一般に気圧が1hpa下がるたびに海水面は1cm上がるそうです。そこに強風が加わると海水がさらに押し寄せやすくなります(吹き寄せ効果)。こうした影響で海水が一気に陸地に押し寄せるのが高潮です。
近年で大きな被害をもたらした高潮としては熊本県の八代海や香川県や岡山県で発生した高潮がよく知られています。和歌山県も2018年の台風21号(記録的な暴風となった台風です)で和歌山市の沿岸部などで浸水の被害が発生しています。
さて、今回の高潮の被害想定ですが、中心気圧900hPa、風速や台風の速度の条件は伊勢湾台風並みとし、和歌山県の西方または真上を北上もしくは東進する進路を複数設定。堤防や水門などの設備は正常に作動し、設計上の要件を超えた場合に決壊すると想定。
結果として、和歌山県内では和歌山市、海南市、有田市、有田川町、湯浅町、広川町、由良町、日高町、美浜町、御坊市、印南町、みなべ町、田辺市、白浜町、すさみ町、串本町、新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町の20の自治体で高潮の浸水の恐れがあるという結果が出ています。海に面していない自治体のなかで、有田川町が唯一想定されています。
さて、示された想定では、浸水が想定される最大面積は9201ha=92平方キロとなり、全県の2%程度の規模になります。
浸水深はほとんどが3m未満となっていますが、地形の影響により3mを超えると想定されるエリアもわずかながら見られます。



あくまでも現在想定しうる最大規模の台風の気圧や風速などをもとに推定したものであり、これよりも強い勢力の台風が接近した場合、また潮位は日々異なりますのでその条件によって、これらの想定よりも状況が悪化する可能性はあることは十分把握したうえで、ご覧ください。
今後、これらのシミュレーション結果をもとにした高潮避難場所・避難計画などが順次整備されていくことになろうかと思いますので、ご留意いただければと思います。
くわしくは、県のウェブサイトをご覧ください。ファイルが非常に大きいので、PDFファイルのダウンロードの際はご留意ください。
